ちなみに,マーティがこのとき被っている帽子(見る位置により色が変化する)はレンティキュラーを利用したもので,ホログラムではありません.
◇九五年、アメリカ。ジョー・ラーラ。人間をホログラム化し再教育を施す刑罰を受けた凶悪な犯罪者が、配下によってホログラムのまま再生してしまった。不死身の体となった彼に殺されかけた刑事が"ホログラムマン"となって対決する。リチャード・ペピン監督。
ちょっと補足しておくと,受刑者の精神をコンピュータ内に保存し,必要に応じ円筒状の檻のような装置にホログラムとして出力します.更生が認められれば精神を肉体に戻します.ホログラム化されたスラッシュ(悪党の親分)を助けようと部下たちがコンピュータに侵入し,精神をコンピュータ外へ取り出すことに成功しますが,肉体は失われてしまいます.しかし,スラッシュは無敵の電磁ホログラムとして再生装置から飛び出します.その体の周囲は青く光り,壁をすり抜け,弾丸もものともしません.壁をすり抜けるくせに殴りあったり,かぶりものをかぶったりもできます.
宇宙船レッドドワーフ号
宇宙船レッドドワーフ号(RED DWARF)は1988年からBBCで放映されているSFコメディで,世界各国で放映され,日本でも1998年からNHKで放映されました.
放射線漏れ事故で「リスター」を残して乗組員は全滅してしまいました.事故から300万年後にリスターが見たのは,IQ6000のコンピュータ「ホリー」とリスターの友人の記録からコンピューターシミュレーションで再現したホログラムの「リマー」,猫から人間に進化した「キャット」,掃除ロボットなどです.
このホログラムの「リマー」の見かけは,そういう設定なのか制作費をケチったのかは知りませんが,特別な場合を除いてごく普通の人物と同じように見えます.SF映画にありがちな,半透明とか光り輝くということは無いので,外見からホログラムかどうかを区別するのは難しいです.そのためかどうかは謎ですが,おでこに(まるで両面テープで貼り付けたように)「H」の文字が浮き出ています.ウルトラマンガイア
円谷プロと毎日放送の制作で1998年9月から1999年8月まで放送されました.その第36話(1999年5月15日放送)に,コンピュータのディスプレイとして投影型ホログラムが登場します.ホログラムにあらわれたのは死んだはずの稲森博士ですが,実際はコンピュータウイルスだそうです.つづく第37話で再び稲森博士が登場します.驚く藤宮に対して,「私をホログラムだとでも思っているの」というところがしびれます.ストーリーなどは公式サイトに公開されています.(バンダイビジュアル,BCBS-0462)ウルトラマンティガ
「ウルトラマン80」以来,16年振りに復活したのが「ウルトラマンティガ」です.第1話で隕石の中にあった三角錐状のカプセルからユザレと名乗る女性のホログラム像が投影されます.これは完全にスターウォーズのレイア姫のぱくりと思えます.しかし,赤い光を投影してフルカラーの像が再生されるところは「怪奇大作戦」以来の円谷プロオリジナルです.ユザレが言うには「このカプセルが着いたと言うことは地球に大異変が迫っている.それを救えるのはティガの巨人だけ・・」.というわけでティガさんの登場で〜す.さらに,第2話で判明するのですが,このホログラム像はAI(人工知能)を搭載してインタラクティブ(会話が可能)になってます.(バンダイビジュアル,BELL-984)エスケープフロムL.A.
日本語吹き替え版ビデオのパッケージによると「西暦2013年,巨大な監獄と化したロサンジェルス.最終兵器奪還の命を受け,スネークが帰ってきた!タイムリミットは10時間!!」とあります.カート・ラッセル扮するスネークが米国政府の要請(と言うより脅迫)でハイテク装備を渡されて単身L.A.に潜入します.その装備のひとつがホログラム投影装置なのです.SFの定番ですね.この投影装置は,早い話が「試作品/800メートル先まで投影可能/核電池搭載で連続8分間の1回だけ使用可能/音声は100%送受信できる/敵の撹乱に使え」という代物です.ここ一番と言うところで使うのですが,意外にもあんなところで!!(CIC・ビクタービデオ,PHF 0681)怪奇大作戦
「ウルトラセブン」放送終了の翌週から6ヶ月オンエアされた「怪奇大作戦」はTBS・円谷特技プロ制作の科学を悪用した怪奇犯罪を犯す者とそれをあばく者の対立を描いたドラマです.その第11話(1968年11月24日放映)は,「ジャガーの眼は赤い」というタイトルでホログラムをトリックとした犯罪者が登場します.ウルトラセブンの格好をしたサンドイッチマンからもらった眼鏡をかけた少年は,グランドキャニオンを,そして洞窟の中で眼が赤く光るジャガーを見ます.ホログラムなのになぜ眼鏡が必要なのかぁ〜?と思ったあなたは中級以上のホロラーです.「なぜ」の鍵は放映年にあります.1968年と言えばホログラムの研究自体はすでに大盛り上がりを呈していましたが,ホログラムが大量生産で安価に市場に出回るよりはるか昔で,しかもホログラムの再生にもレーザ光を使うのがあたりまえだった頃です.そんな昔にテレビドラマでホログラムをネタにしてくれたとはスーパージャンボ感動ものです.なので,赤いレーザ光を当ててフルカラーの像が再生されたり,記録されているホログラムが変化するはずのない普通の乾板から立体動画像が再生されたりとハチャメチャことは大目に見ます.(バンダイビジュアル販売,BELL-388)シモーヌ
CG合成した女優「シモーヌ」が主演の映画が大人気となり,歌手としての人気も上昇してCGをホログラム化してライブコンサートまでしてしまうというストーリーです.シモーヌ(まさと)をコントロールするコンピュータのキーのひとつにはっきりと「HOLOGRAM」と印字されています.映像のほうは(いかさまくさい)プリンセスレイアタイプです.内容はコメディ映画ですが,ホロりとします.(ジェネオン エンタテインメント - ASIN: B0001Z30S8)新刑事コロンボ
邦題:狂ったシナリオ(原題:Murder, smoke and shadows)の回で天才若手映画監督の犯罪をコロンボが追う(さだはる).映画の特殊効果満載で,ユニバーサルスタジオの裏側も見せてくれます.研究中の特殊効果のひとつとして「3次元ホログラフィックテレビ」が出てきます.上部に半球状の透明ドームの付いた箱.ドームの部分にレーザー光線のような青い光を当てると,フルカラーの女性が現れます.映像をじっくり観察し「まだ,3次元ホログラフィの映像は客の度肝を抜く段階じゃないな」と監督がつぶやきます.(1989年,アメリカ)スタートレック
シリーズのさまざまな作品にホログラムが登場します.なぞのホロラー猫魚の1番のお気に入りは「新スタートレック」のホロデッキです.この部屋は没入型ヴァーチャルリアリティルームという感じで,コンピュータプログラムにより,いろいろな設定が再現できます.逆に1番のわややは「ヴォエジャー」の緊急医療用ホログラムドクターです.このドクターは外見は完全に普通の人間で,宇宙船レッドドワーフ号の完全なパクりです.しかも,おでこには「H」の文字が浮き出ていない粗悪品です.スターウォーズ
シリーズ第一作 (Episode 4) は1977年に公開され映画史上最大のヒット作となりました.R2D2が投影するレイア姫のホログラムはあまりにも有名です.しかし,このシーンはホログラムの専門家の間では評判がよろしくありません.現在の技術,というよりも現在知られている物理法則では,何も無い空間にホログラムを投影することはできないのです.たとえ SF とはいえ,この映画は影響が大きすぎました.太陽の船 ソルビアンカ
お宝をもとめて宇宙をさまよう海賊のアニメです.発売元の宣伝はこちらです.第2話,「記憶」に立体フォログラムのサンチョが登場します.でも,正しくはホログラムなんですけど.
超電子バイオマン
1984年にテレビ朝日で放映された「超電子バイオマン」のイエローフォー(小泉ミカ)の特殊能力は「超電子ホログラフィ」で空中に映像を映し出すのだそうです.しかし,その映像がなかなか見つかりません.情報歓迎いたします.
デーモン・ギャラクシー 魔女伝説
原題は「Nightflyers」で,宇宙船の名前です.宇宙の知性体求めて旅立ったNightflyer号なのですが,なんか変です.船長は乗組員の前には一切姿を見せず,スターウォーズのレイア姫型ホログラムでしか現れません.しかし,レイア姫より進化している点としては記録された像を再生しているだけではなく,見ている人との対話が可能です.そのうちに乗員のひとり,またひとりと次々に何者かに襲われていくホラータッチのSFです.(日本コロンビア,148HC-196)
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トータルリコール
腕時計の形をしたホログラムという装置が登場します.これを腕に付けてスイッチを入れると自分の分身の3次元画像が現れるという物です.主人公がこれを使って悪役をやっつけていくわけですが,悪役の親玉が「気をつけろ!奴はホログラムを持っている!」と言ってます.このせりふはホロラーにも大好評でした.もちろん「笑える」と言う意味で.バイオハザード
カプコムの同名のゲームを原案とした映画です.地下深く隠された巨大研究所を制御するコンピュータの人工知能プログラムのインターフェースとして,スターウォーズのレイア姫型ホログラムが登場します.人工知能のプログラマの娘に似せた外見ということです.ホログラムを投影する装置は,最近流行のコンピュータ制御による照明装置そっくり,というか多分そのまんまでしょう.像はカラーではなく,赤味がかった彩度の低い単色なところが,他ではあまり見ない感じです.(2002年米独英合作/東芝デジタルフロンティア ASBY-2305)
バックトゥザフューチャー2
未来に行ったマーティが映画館の前でジョーズ19のホログラム映像の鮫に襲われると思ってビビるシーンがあります.投影装置の下にはっきりと「HOLOMAX」と書いてあります.SF映画では立体映像は良く出てくるので,ホログラムと謳っている点が重要です.ブラックアウト
1995年から1996年にかけてテレビ朝日系のシリーズとして深夜に放映されたドラマです.その第4話(Futurity 4)が「ホログラフ」です.えっ!なんですか?「ホログラム」と間違えてませんか?ということで,ストーリーについては原作小説の紹介をご覧ください.ちなみに,原作ではちゃんと「ホログラフィ」と書いてあります.パチパチ.俳優のセリフでは「ホログラム」や「ホログラフィ」と言っていたので安心していたら,明らかに「ホログラフ」と聞こえるところもありました.なお,主人公のホログラム像が拳銃を持っているシーンがありました.ホログラムじゃ弾は出ないじゃん,と思ったら本物の銃を糸で吊ってありました.それから,ホログラムを投影するときに使う「素粒子パネル」はグレーティングでした.あと,ホログラム=「虚像」と言ってますけど,パネルの手前に像が来るときは「実像」なのです.この辺は細かすぎるので書くのはやめようかと思いましたが,もう書いちゃったのでそのままにしときます.(アミューズビデオ,AMV-0116)ホログラムマン
銃撃ちまくり,車壊しまくり,主人公は4文字単語言いまくりのB級SFアクション映画です.確認していませんが,レンタルビデオにあるようです.amazon.comでも買えます.フジテレビで1998年6月26日深夜2時10分から放映されました.そのときの紹介文は以下の通りです.マイノリティ・リポート
トム・クルーズ&スピルバーグ 夢の共演!本編中に人物が飛び出してくる3D映像を見るシーンがあります.「ホログラム」とは一言も触れていませんが,DVD特別編の映像特典のメーキングに,ずばり「ホログラム」としてこのシーンのメーキングが紹介されています.ちなみに,ケースのジャケットもグレーティング素材です.なお,原作であるフィリップ・K・ディックの同名の短編小説もチェックしましたが,ホログラムの「ホ」の字も出てきません.それもそのはずで,1956年に発表された作品なので,そのときはまだ3Dのホログラムは実現していませんでした.(20世紀フォックス,FXBF-20918)
メガフォース
「メガフォース」とは,世界中から選び抜かれたミリタリー・エリートたちが最新エレクトロニクスで完全武装した史上最強の緊急機動軍団(LD のジャケットより).・・・というわけで,ジャケットの写真からして○×レンジャーがそのままアメリカ映画になったような風変わりなメカの装甲車や武装バイクたち,全身タイツ風の戦闘服などでB級の臭いぷんぷんのすばらしい映画です.ハイテク装備のひとつにホログラム投影装置がありますが,その役割がいまいち良くわかりません.兵器として使うなら,周囲の景色と同化してカモフラージュとかすればいいのですが,そうでもなく,砂漠の真中に波打ち際の水着の美女を映して敵をかく乱してるつもりらしいのです.「それだけかい!」って感じです.映像効果としても特に何の特色もなく,役者がセリフで「見事なホログラムだった」とか言わない限り誰も気がつかないです.(c)1982 ゴールデン・ハーベスト・グループ(ポニー,G88F0097)
メモリーズ『彼女の想いで』
大友克洋原案による3話オムニバス形式の「メモリーズ」.EPISODE1『彼女の想いで』に,ヴァーチャルリアリティ的な(つまり没入型の)ホログラム映像が登場します.宇宙空間でSOS信号をキャッチした船員たちが向かった先は超豪華な難破船でした.過去の栄光の思い出を捨てきれないオペラ歌手エヴァの想いでを管理するコンピュータがさまざまなホログラム映像を創り出し,救出に向かった船員たちを恐怖のずんどこにおとしいれます.(バンダイビジュアル,1995年,BES-1416)
ルパン三世
新・ルパン三世(The Second TV Series)の第63話,「罠には罠を!」(1978.12.18 OA)にビデオ立体映像装置「ホログラフィ」が登場します.外見は普通のビデオカメラに見える装置で,外見は普通のビデオテープに録画しますが,3次元像が投影できます.大金持ちのドン・ケッチは峰不二子とこの装置を利用してルパンに濡れ衣を着せようとします.しかし,罠には罠で反撃するわけです.ところで,不〜二子ちゃ〜んは,この装置のことをはっきりと「ホログラフ」と言ってます.(バップ,2000年,VPVY-64741)
ロストインスペース
宇宙で迷子になってしまうロビンソン一家の冒険を描いたSF映画で,色んなホログラムが登場します.たとえば,holo call という3Dテレビ電話では干渉縞のようなノイズが入っていい感じです.砂丘のシーンから室内に突然切り替わる部分ではどうやらホログラィックヴァーチャル空間のようですが,役者が「ホログラフ!」と言うのはいただけません.あと,ナビゲーションホログラフィックスでは宇宙空間が3D表示されます.傑作なのは「ホログラフィックインターフェース」で,3次元像の中に入ってロボットを遠隔操作します.